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言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方レビュー

話 伝え方

ANAのVIP担当者に代々伝わる 言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方
著者は元ANA CAマネージャー。人材育成部門で、インストラクターとして5000人以上のCAを育成した方です。航空業界でとても有名な伝説のCAである加藤アカネさんです。

この本がオススメな人

言いにくいことを言って、動いてもらわないといけない立場の人
言いにくいことを言わずに我慢したり、やりすごした方がいいと思っている人
言いにくいことを言わなくても、願う通りに相手が動いてくれたらいいのにと思う人

この本を読むと

色々な背景を個別に持って、飛行機に乗っている多くの方々に快適に過ごしていただくために、伝説のCAさんが、どのような応対をしているのかが垣間見え、正論を言って、相手を動かす。以外の方法があることがわかります。

一例を挙げると、泣いている赤ちゃんとクレームをつける人を、どちらも立ててまるくおさめる方法です。

飛行機の中だと降りたりして、場所を替えるという選択肢はなくなります。
赤ちゃんのご両親は泣き止んで欲しいと思っても、気圧の関係や慣れない環境で、なかなか泣き止まなくて気持ちが焦るばかりになるでしょう。
クレームをつける人も、赤ちゃんの泣き止まない声を長時間聞いているのは大変なのはわかります。

板挟みの状況 さてどうする?

ここで「お静かにお願いします。」「ご迷惑をおかけしております。」はNGワードです。
私がもしこの立場だとしたら、クレームつける人に対して、つい「ご迷惑をおかけしております。」って使ってしまいそうになると思います。
でも「ご迷惑をおかけしております。」だと、赤ちゃん連れのご家族に責任を負わせるような言い方になってしまうのです。

言葉と行動で、両方の気持ちに寄り添う。

まずご両親に落ち着ける言葉がけをして、いつでもお手伝いできますよ。というメッセージをお伝えし、怒っている人に「申し訳ございません。ただ今ご様子をうかがって、できることがないか確認してきます。」と伝えて双方に上手に配慮します。

このような行動がさらっと出来るのは、皆さまに快適に過ごしていただくという役割をしっかりと意識して、その上で、両方の気持ちに寄り添っているからなのかなと思います。

全員がたいせつなお客様で、トラブルの原因は泣いている赤ちゃんでも、怒っている人でもありません。というところで、トラブルの原因はこれだから、これが悪いというような思考ではなく、双方の立場に理解を示し、泣いてる赤ちゃんのご両親には落ち着く言葉をかけ、クレームを言った怒っている人には、心のささくれを少しでも軽く出来るように配慮するという心配りが、言葉として現れていると思いました。

客室の温度問題  多数派と少数派

室内の温度の快適さは人によって違うので、全員の満足がいく温度にするにはどうしたらいいんでしょう。
この時にCAさんが大事にしているのは、判断基準の線引きをはっきりとさせることです。
そしてその標準的な温度から「寒い」「暑い」を感じてそうな方にお声をかけて、どんな様子をうかがいます。

共感は、喜怒哀楽を共有すること。
同調は、他人の意見・主張などに賛同すること。

ここでNGワードなのが、「たしかに暑いですね。」などの同調です。
少数派の意見の同調してしまうと、大多数が感じている快適な状態を崩さなくてはならなくなるので、同調ではなく、共感を示すことが大事。同調するとどうしても会話の主導権が相手に渡ってしまいます。

先に室内の基準温度で快適に過ごせない可能性がある人に対して、「機内の温度はいかかでしょうか?」とお声がけして、さらに「暑い」などというご意見があれば、一度確認してきますとその場を離れます。大多数の人のスタンダードな温度だった場合、温かいお飲み物や温かいおしぼりはいかかですか?と提案します。

不満の大もとを変えるのではなく、別のアプローチを使い快適に過ごせるように行動するのが、少数派にも大多数派にも満足いく気持ちになってもらえるコツなのだなと思いました。

正論を言っても人は動いてくれない

飛行機では、座席の足元に手荷物を置くことができません。足元のスペースが非常時の通路となるためです。
なので、CAさんの役割としては、荷物を前の座席の下に入れていただくように促す必要があります。

ある日「手荷物は、前の座席におおさめください。」とマニュアルどおりの声かけをすると、
「カメラの機材が入っているので出来ない。」と言う方がいました。
その当時、私たちはサービス要員でもあるけれど、保安要員でもあるので、安全に関してトラブルが生じたときは、お客様を指導する立場になる。毅然とした態度で教えさとすことも必要だと思い込んでいました。
なので安全運航のためだと説明し、しぶしぶといった様子でしたが、荷物を前の座席の下へ置いてもらうことはできたのですが、後日にクレームのお手紙が届きました。

こちらの立場では荷物を座席の下へしまっていただきたい。だけど、「ルールですから。」という言い方では上手くはいかない。どういう言葉がけだと人は気持ちよく動きたくなるのだろう?

反対意見の人の心を動かすには、別の意見をぶつけるのではなく、相手がその結論に至った経緯や理由を聞けばいいのです。
「正しい、正しくない」ではなく、相手の感情がどのように振れているのかに焦点を当てて、伴奏者になるのです。

相手を従わせるための「言いにくいこと」を言わずに、同じ気持ちになってお手伝いする。その方がお互いに心地よくなります

いろいろなケースでの解決策が書いてあり、どんな対応をしたらいいのかヒントをたくさんもらえます。
また終章のチボリバルーンと空こうのおねえさんの物語が心に響きます。
私だったらできただろうか、ここまで思いやれたかなと思います。

いろんなケースの事例が出てきますが、共通しているのは相手への心くばりだなと思いました。